地吹雪による衝突事故、町の中学校に多大な影響

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23日午後、北海道厚岸町内の道道で、雪の吹きだまりにはまって身動きの取れなくなった乗用車を押し出そうとしていた人たちの背後に、雪で視界を失った大型トレーラーが突っ込むという事故が起きた。

この事故で2人がトレーラーの下敷きになって死亡、5人が骨折などで重軽傷を負った。警察ではトレーラーを運転していた34歳の男を業務上過失致死傷の現行犯で逮捕している。

北海道警・厚岸署の調べによると、事故が起きたのは23日の午後3時ごろ。厚岸町太田付近の道道で、近くにある中学校の教師7人が、吹きだまりに突っ込んで身動きの取れなくなった同僚教師のクルマを押し出す作業を行っていたところ、低速で走ってきた大型トレーラーが追突した。

この事故で50歳の男性教頭と35歳の男性教諭がトレーラーの下敷きになり、胸部圧迫などが原因で死亡。立ち往生していた乗用車を所有する32歳の男性教諭など2人が手首や胸の骨を折る重傷、残る3人も軽傷を負った。

警察ではトレーラーを運転していた34歳の男を業務上過失致死傷の現行犯で逮捕しているが、男は取り調べに対して「地吹雪で視界が全く利かない状態なので、低速で走行していた。しかし、前方に人がいることに気がついたのは衝突する直前で、距離も1mを割っていた」と供述しているという。

現場は中学校から50m離れた地点。当時は猛烈な地吹雪で、視界は1-2mほどしかなく、しかも周囲には除雪された雪が積み重なっており、見通しも相当に悪かった。

被害者が勤務していた中学校は校長を含め、全職員を合わせても11人という極めて小規模の学校だが、今回の事故では7人が被害を受けた。

北海道教育委員会では授業に支障を与えないよう、代わりの教師を周辺の学校などから派遣する方向で検討を始めているが、この事故が生徒に与えた衝撃は非常に大きかったようだ。

《石田真一》

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