現金強奪ひき逃げ事件、カーナビの走行軌跡が逮捕の決め手

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千葉県警は11日、現金を強奪する目的で43歳の男性を故意にはね、死亡させたとして、別の窃盗容疑で逮捕・起訴されていたいずれも30歳の男2人を強盗致死容疑で再逮捕した。

このうち1人は現金を奪う目的で事故を起こしたことを大筋で認めているという。

問題の事故は昨年11月20日未明に発生した。同日の午前2時25分ごろ、千葉市中央区富士見付近の市道で、43歳の男性が頭から血を流して倒れているのを通行人が発見、警察に届け出た。

男性はすぐに病院へ運ばれたが、間もなく死亡した。クルマにはねられた歳に生じるような外傷が残されていることから、警察ではひき逃げ事故に巻き込まれたと判断。捜査を続けていた。

その結果、この男性をはねたと思われるクルマを四街道市内で発見。クルマは犯行前に盗まれていたものとわかったが、装着されていたカーナビゲーションを精査したところ、走行軌跡がそのまま残されていることが判明した。

このクルマが事故現場となった中央区富士見を走行していたこともわかったが、その直前に同区内のガソリンスタンドに立ち寄っていたこともわかった。

警察ではこのガソリンスタンドの防犯カメラが撮影したビデオの任意提供を受けてさらに調べを進めたところ、元暴力団員の男2人がクルマに乗りこんでいることを確認した。

また、このうち1人が事件後にバッグを質入れしていたことを別の捜査チームが突き止め、調べを進めたところ、質入れされたバッグがひき逃げ事故で死亡した男性が当時所持していたとみられるものと同一であることが発覚した。

男性をひいたクルマは30km/h以上の速度で走行していたことが体に残された痕跡からすでに判明していたが、現場にブレーキ痕が残されていないことや、被害者のバッグが質入れされるなどの経緯から、警察では現金などを奪う目的で故意に引き起こされた事故だと最終的に判断。2人を指名手配した。

この結果、1人が福岡県内で別の窃盗事件を起こしてすでに逮捕されたことがわかり、共犯の男も1月上旬に千葉県内で起こした別の窃盗容疑でで逮捕されている。警察ではこれらの事件捜査と並行してひき逃げ事件の捜査も進めていたが、容疑がほぼ固まったとして再逮捕した。

再逮捕された男2人のうち、1人は「生活費に困ってカネを盗んだ。クルマも捨てた」と容疑を大筋で認めているものの、もう1人は「事件自体が身に覚えがないこと」と容疑への関与事態を否認している。

警察では2人を厳しく追及し、同様の事件を他に起こしていないかを含め、厳しく追及する方針。

《石田真一》

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