暴走族にとって消火器は便利アイテム

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愛知県警は27日、盗んだ消火器を噴霧し、相手が驚いて逃げ出した隙に現金を奪うという犯行を繰り返していたとして、いずれも20歳の元暴走族メンバー4人を強盗容疑で逮捕した。4人は容疑を大筋で認めている。

愛知県警・捜査1課、同・知多署によると、直接の逮捕容疑は今月26日に発生した強盗事件。調べによると逮捕された4人の男は同日の午後5時35分ごろ、阿久比町白沢付近にある商店に乱入。店番をしていた66歳の女性に向かって無言のままで消火器を噴射。その間に現金約6万5000円が入ったレジを持ち去った疑いが持たれている。

愛知県内では昨年8月以降、いきなり消火器を噴霧して現金を盗むという事件が続発。被害に遭った店は比較的高齢の女性が店番を行っている個人商店が多く、店内への侵入に気がついたときには噴霧された消火剤によって視界が失われているという状況もあり、容疑者探しは困難を極めた。

このため、警察では犯人グループがどのように消火器を入手しているのかという点について、事件捜査と並行して調べを進めた。

その結果、暴走族グループが追跡するパトカーを妨害する目的で消火器を噴霧するという事件で、マンションなどの廊下に設置されている消火器を暴走族が盗んで使っていたという実態を把握。さらに調べを進めたところ、強盗事件が発生が確認できた頃から、パトカーの追跡を消火器噴霧で妨害するという件数が減りつつあることがわかった。

警察では犯人グループが暴走族の関係者であると推定。事件の起きた現場付近で地道な聞き込みを続けたところ、ほぼ全ての現場で1台の不審なクルマが目撃されていたことが新たにわかった。

警察では車当たり捜査を進めたが、20歳の元暴走族メンバーが所有するクルマが目撃されたものと同型であることが判明。この男を含む元暴走族メンバー4人に対して任意で事情を聞いていた。

当初は容疑を否認していたが、1人が「遊ぶ金欲しさに店を襲った」、「個人商店をターゲットとしたのは防犯カメラが無いから」と自供。この男の供述に基づいて阿久比町内にある池を捜索したところ、捨てられたレジを発見。容疑は固まったとして全員を逮捕した。

4人は容疑について認める供述をしているが、この4人以外にも犯行に関わった暴走族メンバーが存在するものとみて、残るメンバーの行方を追うとともに、犯行に使った消火器を盗んだのが誰なのか、どこから盗み出したものなのかについても調べを進める方針だ。

《石田真一》

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