「自分の怖さを思い知らせる」という目的で13歳の少年の足首をロープで拘束し、バイクで1.5kmに渡って引きずって重傷を負わせたとして、殺人未遂などの罪に問われた20歳の男(事件当時は少年)に対する判決公判が15日、長野地裁で行われた。裁判所は男に対し、懲役6年の実刑判決を言い渡している。
この事件は昨年2月13日の夜に起きた。長野市内に住む当時13歳の少年が、自分がリーダーとなって活動する暴走族チームに反抗したことを理由に、「自分と、自分のグループが怖い存在だということを思い知らせること」を目的に少年を拉致。
少年の両足首をロープで縛って拘束し、同日の午後9時30分ごろから約15分に渡ってバイクで引きずりまわした。この間、バイクは20〜30km/hの速度を維持。少年を引きずったまま約1.6kmを走行した。少年は全身に擦り傷を負い、全治6カ月という瀕死の重傷を負った。
警察では首謀した19歳の少年と、実際に少年をバイクで引きずりまわしたメンバー3人をいずれも殺人未遂と暴力行為等処罰に関する法律違反容疑で逮捕。実行犯3人は中等少年院送致となったが、これを命じた男は特に悪質として、通常の刑事裁判で裁かれることとなった。
15日の判決公判で、長野地裁の青木正良裁判長は「暴走族の総長だった被告が、自分と、自分のグループを示威し、怖さを思い知らせる目的で行った自己中心的で短絡的な犯行。著しく人命を軽視しており、その形態も極めて悪質」として、懲役8年の求刑に対し、懲役6年の実刑判決を命じた。