埼玉県警は10日、偽造した運転免許証を使い、携帯電話を不正に契約し、それを転売していたとして22歳の男を有印私文書偽造、同行使、詐欺未遂の容疑で9日までに逮捕していたことを明らかにした。
埼玉県警・蕨署の調べによると、この男は今年7月21日、蕨市内にある携帯電話販売店で携帯電話を新規契約しようとした際、店員に偽造された免許証を提示した。
しかし、免許証の表面に記載された文字が一部薄くなっているなどしたため、店員が不審に思い警察に通報。男は駆けつけた蕨署員に逮捕された。
逮捕後に行われた家宅捜索で東京都内にある男の自宅からは、顔写真は本人なのに記載内容が全て異なる運転免許証と、同様に記載内容が違う健康保険証など数十点を押収している。
携帯電話会社への照会した結果、男の自宅から発見された偽造免許証を使って、少なくとも100台近い携帯電話が契約されていることがわかった。
だが、男の自宅から携帯電話は発見されておらず、免許証を偽造するために必要な機材も発見されなかったため、男をさらに追及したところ、偽造免許証を男に手渡し、携帯電話を契約するたびにそれを1台5000円で買い取っていく第三者の存在が浮上した。
逮捕された男は昨年6月、「誰にでもできる簡単なアルバイト」と称し、アルバイト情報誌に掲載されていた会社に応募した。
面接の際に写真を撮られ、その数日後に手渡された免許証を使い、携帯電話を契約するように指示されたという。その際には「新規契約が適切に行われているか調査する」などと説明されていたようだ。
警察では大掛かりな偽造組織があるとみて、男をさらに追及し、契約された携帯電話がどういったルートで流出しているのかを調べる方針。