3日、大阪府大阪市で女性からハンドバッグをひったくって逃走した24歳の男が、これを目撃した清掃員や警備員の機転によって地下駐車場内に閉じ込められ、通報を受けて駆けつけた警察官に窃盗の現行犯で逮捕されるという事件が起きた。
警察では「素晴らしいチームワークだった」と高評価している。
大阪府警・南署の調べによると、事件が起きたのは3日の午前6時30分ごろ。大阪市中央区南船場付近の市道を歩いていた34歳の女性が、背後から走ってきた若い男に現金4000円入りのハンドバッグをひったくられた。
女性は「助けて、泥棒」と叫びながら後を追ったが、男は途中のビルにある地下駐車場に逃げ込んで追跡から逃れようとした。
女性の叫ぶ声に気づき、全力で走る男が自分の勤務するビルの地下駐車場に逃げ込んでいく様子を目撃した68歳の清掃員の男性は、ビルの保安室に対して「泥棒がうちの駐車場に逃げ込んだらしい。表のシャッター閉めてくれ」と要請。こ
れを受けた41歳の警備員が遠隔操作でシャッターを操作し、道路沿いの出入り口を閉鎖してしまった。駐車場はビル内部につながっているが、このドアについても警備員が施錠。地下駐車場は完全な密室となった。
警備員は警察に通報。駆けつけた南署員が駐車場の内部に入って調べたところ、クルマの陰に隠れていた男を発見。窃盗の現行犯で逮捕した。警察の調べに対し、この男は「カネが欲しくて女を狙った。まさか駐車場に閉じ込められるとは思わなかった」と供述しているという。
警察では「2人の素晴らしいチームワークが犯人の逮捕につながった」と絶賛。感謝状を贈ることを検討しているという。