追走中に事故発生!! パトカーの警官が逃走……

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岡山県警は20日、パトカーの追跡を受けた乗用車が民家に突っ込むという事故を起こした際、このクルマの追跡を行っていたパトカーの乗務員2人が「当時現場にいなかった」と虚偽の報告を行っていたことを明らかにした。

事故を誘発したとされることを恐れたものだが、県警の監察課ではこの2人に何らかの処分を科す方向で検討している。

岡山県警・監察課の調べによると、問題の事故は今月11日深夜に発生した。倉敷市内の市道交差点で1台の乗用車が赤信号を無視して進行するのをパトロール中だった水島署員が発見。赤色灯とサイレンを使用した状態で追跡を開始した。

乗用車は速度を80km/hまで上げて逃走したが、追跡開始から300mほど進行した交差点を左折しようとした際に運転を誤り、道路脇にある民家の車庫に突っ込んだ。

2人の警察官はパトカー車内から事故を起こしたクルマを目撃していたが、追跡によって事故を生じさせた責任の追及を恐れ、赤色灯とサイレンを消した状態で現場の横を通り過ぎた。2人は「見なかったことにしよう」と口裏を合わせて一旦はその場から走り去り、事故の発生の一報を受けてからようやく現場に戻って事故の処理を行った。

この段階でクルマを運転していた人物が逃走していることが判明したため、2人は署に帰ってからもこのクルマを追走していたことを報告しなかった。

しかし、クルマが突っ込んだ際の衝撃音に気づいた住民が慌てて外に出た際、事故現場の横を平然と通り過ぎるパトカーを目撃していた。住民は水島署に対して「直後に通過したパトカーはどうして事故を起こしたクルマを無視して通り過ぎたのか」と疑問をぶつけた。

水島署では当日勤務に就いていた署員に「現場付近を事故直後に通ったパトカーがあるらしい。心当たりのあるものはいないか?」と質問したが、2人は「その時間帯は別の地区にいた」と報告。水島署は住民に「該当するパトカーはいない」と報告していた。

住民はこの回答に納得せず、今度は同じ疑問を県警本部にぶつけた。監察課は当日の当直勤務に就いていた水島署員から聴取を行った。その結果から通報を受けた後に現場に向かった2人の発言に矛盾点があるとしてさらに聴取を実施。4日目になってようやく「責任追及を恐れて口裏を合わせた」と、虚偽の報告を行っていたことを認めた。

監察課では「追跡は適正な職務遂行で、それ自体に問題は無かった」と最終的に判断したが、2人が虚偽の報告を行ったことについては「警察業務に対する県民からの信用を失墜させる行為としか言えない」と認定。2人に対して何らかの懲戒処分を実施する方向で検討しているという。

《石田真一》

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