島根県警は8日、仮免許での教習中に教習車で強盗事件の容疑車両を追跡し、犯人の早期逮捕に貢献した22歳の女性に対し、7日に感謝状を授与したことを明らかにした。
この強盗事件は5日の午前10時40分ごろに発生している。出雲市荒茅町付近にある郵便局へサングラスにマスク姿の男が侵入。女性職員に包丁を見せ、「俺は気が短い、急いでカネを入れろ」などと脅した。
職員が現金約90万円(中身はすべて2000円札)を差し出すと男は逃走。駐車場に止めてあった軽自動車に向かってカラーボールを命中させるなどしたが、男はそのままクルマで走り去った。
犯行とほぼ同時刻、近くの路上で22歳の女性が運転免許取得のための路上教習を行っていたところ、前方の交差点で追突事故が起きたことを確認した。
後続車のドライバーが前方のクルマに駆け寄り、乗っていた男性ら2人を押しのけて運転席に乗り込んで急発進させる様子に異変を感じたこの女性は、教官に対して「追いかけましょう」と提案。後方で車間を開けて走りながら逃げるクルマの様子を伺った。
逃走するクルマは信号を守りながらJR出雲市駅前まで到達した。運転していた男はクルマをロータリーに止め、しばらく動こうとしなかったため、教官が近くのビジネスホテルに向かい、フロントの職員に警察への通報を依頼。
男は直後に急行した警察官に包囲され、先の郵便局強盗容疑で逮捕された。事件発生から逮捕までわずか30分あまりだった。
捜査を担当した島根県警・出雲署では、この女性の貢献が大きかったと判断。7日に感謝状を授与した。