日産ブースの右翼奥に、『フェアレディZ』や『プレサージュ』用の「VQ35DE」3.5リットルV6エンジンと並んで、日産がルノーと共同開発中の新型直4エンジンが展示されている。このエンジンは想定排気量1.4〜1.6リットルで、シリンダヘッドに連続可変バルブタイミング機構を備える。Sセグメントのモデルへの搭載を前提として開発されている。
この新エンジン、想定排気量が1.4〜1.6リットルと、適応レインジがきわめて狭い。ブロックやピストン、コンロッド、クランクシャフトなどを使いまわし、1系列のエンジンになるべく広い排気量レインジをカバーさせるのが一般的になっているなか、トレンドに逆行しているようにも見える。
が、日産の開発陣は排気量レンジを狭めたことで、ブロック剛性の確保やコンパクト化、燃焼室形状の最適化など、エンジンの基本性能にかかわる部分の設計がより緻密に行えるというメリットのほうを重視した。スケールメリットはルノーと日産両社ののSセグメントモデルに搭載することで、充分に確保できるという。
軽量コンパクトながら、ホットモデル向けのハイチューンの許容性も高いという。ルノー=日産のアライアンスのなかで、ガソリンエンジンは日産が、ディーゼルエンジンはルノーが開発の主導権を握り、エンジンの共通化を進めている。この直4エンジンはもっとも重要なポジションを占める。2005年といわれる正式発表までに、どこまで完成度を高められるか大いに見ものである。