泥酔運転で5人死亡---危険運転罪の最高量刑15年

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昨年12月、千葉県松戸市内の市道で泥酔状態のままクルマを猛スピードで走らせ、歩行者5人をはねて死亡させたことで危険運転致死罪に問われた53歳の男に対する判決公判が6日、千葉地裁松戸支部で行われた。裁判所は男に対し、同罪の最高量刑である懲役15年の実刑判決を言い渡している。

この事故は昨年12月9日の未明に発生した。前夜の忘年会で大量の飲酒を行った男(当時52歳)が、泥酔状態を認識していたにも関わらず、帰宅しようとクルマを運転。松戸市南花島3丁目付近で居眠り状態に陥り、前方を歩いていた5人の男女を猛スピードで次々にはねた。

被害者のうち1人は数メートル先に路上駐車してあったクルマに叩きつけられ、ガラスを突き破るような状態で発見されるなど、事故現場は極めて悲惨なものだった。

また、男は事故直後から現場で「俺の人生はもう終わりだー」と叫び続け、救急車で搬送される被害者の様子を見ようとしないなど、身勝手な行動も多かったとされる。

このため、検察では「被告の行為は無差別な殺人行為に匹敵する。悪質で身勝手極まりない行為が前代未聞の事故を引き起こしており、その代償は大きい」として危険運転罪の最高量刑となる懲役15年を求刑していた。

6日の判決公判で千葉地裁松戸支部の小池洋吉裁判長は被告が常習的に飲酒運転を行っていた可能性を指摘するとともに、「本件の事故を起こしたクルマは正に走る凶器と化した。危険運転致死罪創設の趣旨と、悪質な飲酒運転を予防するという点も考えると刑事責任は極めて重い」と指摘。

徹底した矯正教育と被害者のめい福を祈る贖罪の日々を最大限長期に送らせるのが相当」として、検察側の求刑通り懲役15年の実刑判決を言い渡した。

危険運転罪の最高量刑が求刑されたのは2度目となるが、求刑通りの判決が下されたのは今回が初めてとなる。

《石田真一》

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