警視庁は18日、8月下旬に八王子市内で路上に寝こむ男性を大型トラックではねて死亡させながら、そのまま逃走していた25歳のトラック運転手の男を業務上過失致死と道路交通法違反(ひき逃げ)の容疑で逮捕した。
男は人身事故を起こしたことについては完全否定しているが、他車と接触していたかもしれないと、事故の可能性そのものは認める供述を行っている。
警視庁・交通捜査課、同・八王子署の調べによると、この事故は8月23日の未明に発生している。同日の午前3時15分ごろ、八王子市大和田町1丁目付近の国道16号線で、酔った状態で路上に寝こんでいた32歳の男性を大型トラックがはねた。
トラックは減速せずにそのまま逃走し、後続のタクシーも同様にこの男性をはねた。男性は病院に運ばれたが、内臓を損傷したことによる多臓器不全が原因で死亡している。
警察では目撃情報、そして国道16号線に設置されたナンバー読み取りシステム(通称:Nシステム)の情報から事故発生時間帯に現場を通過したとみられる車両の洗い出しを続けていた。
その結果、静岡県内から群馬県内に向けて事故のあった時間帯に走っていた大型トラックが事故に関係した疑いが浮上し、車体の検分を進めたところ、左前部から被害者の着衣と同じ繊維痕を発見したため、当日このトラックを運転していた男を逮捕した。
取り調べに対し、この男は人身事故への関与を強く否定しているが、その一方で「他のクルマに追突したかと思った」などと、何らかの事故を起こしていたという認識があったことを認める供述は行っているようだ。
警察では事故当時この男が居眠り運転などをしていて、男性が寝こんでいることに気がつかなかった可能性も考えられるとして、さらに調べを進めていく方針。