警視庁は4日、酔って路上に寝込み、クルマにはねられるという事故が急増し、今年7月末までに6件の死亡事故が起きていることを明らかにした。警察では深夜から未明に掛けてのパトロールを強化するとともに、路上で寝ている人を発見した場合にはただちに通報するように呼びかけている。
これは警視庁・交通部が明らかにしたもの。酔って路上に寝込んだ人(路上横臥者)が交通事故に巻き込まれるというケースは今年1月から7月末までの間に42件発生しており、前年の同期とほぼ同じ水準となっている。
しかし、死亡事故は6件と前年同期の2倍に達しており、さらに3件はひき逃げ事件となっている。路上に寝込む人は街灯などがない場所を好む傾向にあり、加害者側が「そこに人が寝ていると思わず通過し、気がついたら踏んでいた」というケースが大半。
が、ひき逃げの場合は交通量が少ない午前2時から5時までの間に事故が集中しており、目撃者が存在せず、逃げやすいことがひき逃げ増加に拍車を掛けているのでは…と分析している。
一連のひき逃げ事故のうち、目撃者がいたのは7月22日未明に世田谷区内で発生した事故だが、このときは路上に寝ている人を通行人が発見。前方から走ってくるクルマに停止を呼びかけたものの、それを気づかずに通過している。
警察ではこうした事故を未然に防ぐため、タクシー会社などに対して「路上横臥者を発見した場合にはただちに110番通報してほしい」と呼びかけている。警察でも深夜から未明に掛けてのパトロールを強化するとともに、路上で寝込んでしまいそうな泥酔者を発見した場合には積極的に保護するよう、各署に対しての指導を強化していく方針。