茨城県警は3日、警察に逮捕される目的で飲酒運転を行い、自ら交番に出頭してきた51歳の男を道路交通法違反(酒気帯び運転)の現行犯で逮捕したことを明らかにした。一種の故意犯だが、警察では「目的が全くわからない」と困惑している。
茨城県警・水戸署の調べによると、警察官を困惑させてしまうような珍客が同署・大洗地区交番に出頭したのは3日の午後12時10分ごろだったという。
軽トラックで交番前に乗りつけた51歳の男が応対した同署の巡査部長に対し、「自宅で朝からビールを飲んでいた。飲酒運転だから捕まえてくれ」と告げた。男の顔が赤く、呼気も酒臭かったためにアルコール検知を実施したところ、酒気帯び相当量のアルコールを検出。クルマで交番に乗りつけていることから道交法違反の現行犯で男を逮捕した。
男は取り調べに対して「交番に親しみを感じたから出頭した」とか、「捕まるために酒を飲んできた」などと供述した後、自ら交番内の留置場に入るとそのまま寝てしまった。
男の自宅はこの交番から500m程度離れた場所にあるが、途中で交通量が比較的多い道を通ることになる。警察では「事故を起こさなくて良かった」としているが、出頭の目的には謎が多く、警察では男の酔いが醒めてからさらに事情を聞き、交番に向かった理由を問い正すという。