反復的路上駐車---少女の名誉、実質的に回復

川口区検察庁(川口区検:埼玉県)は1日、自転車に乗った当時8歳の女児が路上駐車していたトラックを避けた際、対向してきたフォークリフトと衝突し、死亡した事故について、駐車していたトラックに事故の責任があるとして運転手を略式起訴した。

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自転車に乗った当時8歳の女児が路上駐車していたトラックを避けた際、対向してきたフォークリフトと衝突し、死亡した事故について、川口区検察庁(川口区検:埼玉県)は1日、トラックが違法駐車を行っていたため、女児が安全確認を行うことが困難になっていたとして、このトラックを所有する68歳の男を自動車の保管場所の確保等に関する法律違反の罪で川口簡裁に略式起訴したことを明らかにした。

さいたま検察審査会が今年5月に議決した「不起訴不当」を受け、同区検が行った再捜査によるもので、遺族側が主張していた「トラックの恒常的違法駐車」が支持されたことになる。

問題の事故は2001年9月12日に埼玉県川口市内の市道で発生している。川口市南町1丁目付近の市道で自転車に乗った8歳の女児が対向車線側に飛び出し、荷役中だったフォークリフトと正面衝突した。女児は転倒した際に頭を打ち、収容先の病院で死亡した。

警察ではフォークリフトの運転手を業務上過失致死容疑で逮捕したが、女児が対向車線側に飛び出すことを強いられたのは「車線の半分近くを塞ぐようにして路上駐車していたトラックが存在していたから」として、トラックを所有する男も車庫法違反で逮捕した。

しかし、さいたま地検は、「事故の責任は前方の安全確認を怠った女児側にある」と結論づけ、フォークリフトの運転手に対しては「トラックの陰から自転車が飛び出してくるというのは予測不可能」として、またトラックの運転手に対しては「路上に駐車していた時間は3時間30分と短く、車庫法違反での起訴には無理がある」として双方を不起訴処分にした。

遺族はこの決定に激怒。2002年1月にフォークリフトの運転手を、8月にトラックの運転手をそれぞれ「不起訴不当」として検察審査会へ再審査を求めていた。検察審査会ではフォークリフトの運転手に対しては「被害者が突如進路変更するのを予想して減速や徐行義務を尽くすべきだと要求するのは酷である」として不起訴を指示した。

いっぽうトラックの運転手については「事故当日の駐車時間は短いが、日常的に路上駐車を繰り返していたという事実から判断すれば、これは悪質だとしか言えない。事故を誘発したのが路上駐車されていたトラックであることも間違いない」として不起訴不当の議決を行っていた。

この決定を受け、川口区検は再捜査を行っていたが、男が過去10年の間、工場兼自宅前の路上を車庫代わりとして使用していた事実が新たに判明した。また、近隣住民もトラックの危険性を感じていて、この男に再三に渡って路上駐車を止めるように訴えていたが、男はこれを無視。半ば開き直るような形で路上駐車を続けていたという実態もわかっている。

これらのことから区検では「再捜査の結果、道路を車庫代わりに使う意思と駐車の反復継続性が確認できた」として、男を自動車の保管場所の確保等に関する法律違反の罪で川口簡裁に略式起訴。最高額の罰金20万円を科すよう求めた。

今回の決定では「事故の発生責任が女児側にあった」という結論を覆すには至っていないが、事故原因となった路上駐車の違法性が認められたことで、実質的には名誉回復につながっていると判断される。
《石田真一》

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