天皇陛下の車列妨害…動機明らかに

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旭川地検は25日、今月4日に北海道富良野市で発生した天皇・皇后両陛下の車列妨害事件について、両陛下の御乗用車に接触を試みた軽自動車を運転していた35歳の男を公務執行妨害容疑で起訴したことを明らかにした。事件を起こした男の動機も初めて公表されている。

この事件は今月4日の早朝に発生している。同日の午前7時10分ごろ、富良野市学田三区の国道38号線で、天皇皇后両陛下御乗用の専用車に対して、後方から対向車線側を猛スピードで走ってきた軽自動車が急接近。衝突を試みていると判断した皇宮警察白バイ隊の隊員3人が両車の間に割り込むなどして進路を塞いだが、うち1台が容疑車両と接触。その弾みで転倒し、御乗用車の右フェンダーに接触した。

男はその場で公務執行妨害の現行犯で逮捕。天皇皇后両陛下は無事で、転倒した白バイ隊員にもケガは無かった。車列は現場で3分間停車し、陛下はその間に控え車両に乗り換えられ、そのまま視察を継続した。

警察、検察の調べによると、男は事件発生の前日に勤務していた旭川市内の牧場を解雇され、家財道具一式を自分のクルマに積んだ状態でさまよっていたという。

職を求めて富良野市に入ったところ、両陛下が視察のためにご訪問されていることを知り、「自分はクビになっているのに、陛下は税金を使って厳重な警備までさせて北海道へ旅行に来ているなんてけしからん。文句を言ってやる」と考え、それが犯行の動機になったと供述しているようだ。

事件後、自分の想定以上に事態が大きくなりすぎたことに驚いたのか、男は「ここまで騒ぎが大きくなるとは思わなかった。陛下には悪いことをした」と恐縮。反省の言葉を語り続けているという。

《石田真一》

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