運賃収入で最下位競争をの2運転手、実は着服

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大阪市交通局は25日、東成営業所の43歳運転手と、中津営業所の36歳運転手が運賃の一部を着服していたことを理由に同日付で懲戒免職にしたこと明らかにした。判明している着服金額は2人合わせて900万円を超えているという。同局では2人に着服した運賃の弁済を求めるとともに、警察に対しても被害届けを出す方針だ。

大阪市交通局の調べによると、2人の着服疑惑が持ち上がったのは2002年1月ごろだったという。ある営業所での着服疑惑が持ち上がったため、同局がバスの全運転手を対象に1998年5月から2000年12月末までの運賃収入を個人別に調べたところ、今回処分を受けた2人は共に運賃収入の最下位競争を繰り広げており、同じ路線で乗務する他の運転手と比較した場合にも、ひどい場合には数万円の差が生じていた。

このため、同局では2人が着服を行っていることは間違いないと判断。同局職員が2人の乗務するバスに乗り込み、客から運賃を収受する様子をチェックしていた。その結果、本来は料金収受箱に収め、両替機能などを使って払い出す費用があるのにもかかわらず、今年5月19日と22日に2人の運転手は乗客から預かった1000円札をバッグに保存。つり銭も手で受け渡していたことを確認したという。

同局では2人の運転手に対しての聴取を実施したところ、43歳の運転手は「本を買うためのお金が欲しかった」と着服の事実を認めたが、36歳の運転手は「着服していない」と容疑を否認しているという。しかし、同局では「実際に管理職が現場を目撃しており、運賃収入の少なさからも着服は間違いない」として、この運転手についても「処分相当」と認めている。2人とも着服の手口が同様だったが、2人が申し合わせて行っていた様子はなく、互いの着服事実も全く知らなかったという。

2人は共に25日付けで懲戒免職処分となり、2人を監督する立場にあった営業所長など上司14人に対しても訓告や厳重注意などの懲戒処分が実施されている。今後同局では警察に対して被害届けを提出するとしており、2人に対しては刑事責任も問われることとなる。

《石田真一》

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