警察庁は17日、今年1月から6月までの間、全国の警察本部が確認した暴走族グループによる集団暴走は2248回となり、前年同時期と比べた場合には14.5%の減少となっていたことがわかった。大規模な暴走が減っているためか、道路交通法違反のうち、共同危険行為で検挙されるメンバー数も減少している。
これは全国の警察本部が記録したデータを警察庁・交通指導課が再集計したもの。共同危険型暴走族、つまり「旧来から続く形態の暴走族」に属するメンバーの数は、前年同期比で6.7%減少し、推定で2万1178人になった。これらメンバーによる暴走行為、車両参加数もポイントを落としており、車両3台以上の集団暴走は2248回、参加台数は延べ2万7839台とされている。
集団暴走が減ったため、道交法違反のうち、集団暴走行為を取り締まる「共同危険行為」での検挙者数も大幅に減少。こちらは前年同期比で27.7%減となる1676人。なんと643人もその数を減らしている。だが、暴走族同士の勢力争いに「面倒見」を称する暴力団員が介入し、殺人未遂事件に発展したケースなど、対立抗争や集団リンチなどの刑法犯罪や、薬物使用による検挙が多かった。
また、警察が違法競争型暴走族と位置づける、いわゆる「走り屋」は増減の幅が小さく、警察が確認した違法走行も前年同期とほぼ同水準を維持している。参加車両台数も誤差の範囲に留まるほど微々たる数が減ったのみとなった。
走り屋のクルマといえば、違法な改造を施しているという印象が強いのも事実だが、道交法違反のうち「整備不良」の案件で検挙した数は大幅に増加しており、6カ月間で1万1871件を検挙している。この数は前年比の34.2%増となり、この部分のみが飛躍的に増加している。
走り屋の存在には警察庁も頭を悩ませているようで、共同危険型の暴走族が下半期も順調に数を減らした場合、来春以降の取り締まりは走り屋側へとシフトしていく可能性も出てきた。