愛知県警は1日、6月23日に東名高速で発生した12台が関係し、17人が死傷した多重衝突事故の容疑者として、渋滞していた車列の最後尾に減速しないまま追突したトラックを運転していた35歳の男を業務上過失致死傷の疑いで逮捕したことを明らかにした。
男は事故後に発生した火災で喉を負傷していたが、医師が「取り調べに支障はない」と判断したため、逮捕に踏み切ったという。
この事故は6月23日の午前11時10分ごろに発生した。愛知県新城市富岡付近の東名高速上り線で、渋滞中の車列に後方から走ってきた大型トラックが激突。最後尾に止まっていた乗用車の屋根に乗り上げるようにしてさらに前方に進み、他のクルマとも衝突したというもの。結果12台が関係する多重衝突事故となり、4人が死亡、13人が重軽傷を負った。
現場にブレーキ痕は残されておらず、後続のドライバーも「ブレーキランプは点灯しなかった」と証言していることから、警察では35歳のトラック運転手が前方不注意などで渋滞に気がつかず、減速しないまま追突して事故を起こした可能性が高いと判断していた。
しかし、この男は事故後に発生した火災で喉にやけどを負い、会話が全くできない状態が続いており、担当医も「会話は当分困難である」と判断したため、逮捕を先送りしていたという経緯がある。
しかし、事故から1週間が経過し、担当医からも「短時間の取り調べなら問題ない」という了解が得られたため、1日に業務上過失致死傷容疑で逮捕し、事故発生までの行動などについて調べを進めることとなった。
この男については過労運転による注意散漫も指摘されており、警察では慎重に調べを進めていくとしている。