やはり過労運転? 東名多重衝突事故の容疑者は時間外にアルバイト

自動車 社会 社会

愛知県警は25日、愛知県新城市内の東名高速上り線で今月23日に発生し、17人が死傷した多重衝突事故で、事故のきっかけとなった運転手が正規の勤務とは別に、運転代行のアルバイトをしていた事実を確認したことを明らかにした。警察ではこの運転代行業者からも勤務状況を聞き、運転手が過労状態で無かったかなどを調べる方針。

この事故は23日の午前11時10分ごろに発生している。新城市富岡付近の東名高速上り線で、渋滞中の車列に後方から走ってきた大型トラックが突っ込んだ。このトラックは最後尾にいた乗用車の上に乗り上げるようにして前方に進み、他のクルマとも衝突。結果12台が関係する多重衝突事故となった。

警察では現場検証の結果、事故地点にブレーキ痕が残されておらず、トラックが減速しないままで突っ込んだとの見方を強めているが、現場の4km手前に検札所が設けられていることから、居眠り運転の可能性は低いとみてきた。

勤務する会社も「過労運転となるような勤務状況ではない」と警察側に説明してきたが、昨日になって静岡県西部にある運転代行業の関係者から「事故を起こした運転手がアルバイトをしていたかもしれない」という連絡が警察に寄せられた。

この業者の記録によると、運転手は正規の勤務が終了してから運転代行のアルバイトを行っており、今月は12回出勤していた。事故直前では18日、20日、21日に午後7時から午前2時までの深夜帯の勤務に就いていることがタイムカードによって確認されている。

実働時間はいずれも6時間程度だが、正規の業務終了後にアルバイトを行い、帰宅時間は未明であることから、過労になりやすい状態であったとも考えられるという。

警察では関係者からさらに事情を聞き、労働基準監督署も交えた上で過労運転の可能性を調べていくとしている。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース