愛知県警は17日、夏に向かって活動が活発化する暴走族による集団暴走を抑止するため、古タイヤやパイロンなどを利用して作った走行抑止用アイテム「トラップロール」を開発したことを明らかにした。暴走族の活動が活発な名古屋市周辺の警察署から配置を開始し、7月末までには県内の全署に配置したいとしている。
これは古タイヤの上にパイロン(三角コーン)を固定した器具を道路上に並べ、その間を幅広のロープで結ぶというもの。通常の場合、路上に2m間隔でパイロンを4つ並べ、その間をロープで結んで簡易なバリケードを作り、バイクの進行を封鎖する。
強引に通過しようとした場合でも、フロント部分にロープが絡みつき、タイヤ4つ分の重量が負荷となって減速を強いられるという。減速した段階で警察官が駆け寄り、車上のメンバーを拘束するという流れとなる。
これまでにも様々な抑止用アイテムが考案されてきたが、ロープを巻きつけて強引に停止させるようなアイテムでは、転倒した際にライダーが負傷する可能性もあった。また、設置方法が複雑だったり、抑止力の実効性が低いなどの問題もあった。
今回はタイヤの重みを利用して減速させることに主眼を置いており、白バイ隊員が度重なる実験を繰り返したが、転倒する危険性は生じなかったとしている。
愛知県警の非行集団対策課では、暴走族の活動が活発化する7月末までには県内全署への配置を完了させる方針だ。