【補助動力付きスクーター/スケーター問題】ブレーキを使うとタイヤが削れる

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国民生活センターが行った今回行った実験では、サドルが付いた形状の補助動力付き“スクーター”に比重が置かれている。自転車と同等に使われるためにトラブルが頻発していることや、モーターの出力も比較的大きいという理由がある。

実験の中心となったのはスクータータイプだが、立ち乗りで使う補助動力付き“スケーター”も参考的にテストが行われる。

参考的に…となったのは、実験対象となった検体2機種(カワセ『エレクトリック・キックスクーター』、ニシハラプロダクツ『スーパー・イースクーター』)が、遊具としての扱いとなっており、いずれも「公道走行不可」を掲げているという理由からだ。モーターの最大出力も100〜120Wと小さく、発進時には地面を足で蹴り、一定の速度に達しないとモーターが起動しないアシスト方式となっていることもある。

ただし、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク)が把握している2件の危害情報はいずれもスケータータイプによって引き起こされており、消費者が公道走行も可能だと誤認している可能性は高い。

スケータータイプは立ったまま乗車し、ブレーキはデッキ後方の突起物を足で踏むという方式(足踏みブレーキ)が採用されている。最高速度は最大出力100Wのカワセ製が12.9km/h、同120Wのニシハラプロダクツ製がh11.7km/hだった。

最高速度からの制動距離は共に2.5mで、スクータータイプよりも短かったが、立ったままの状態でブレーキを使うため、停止の寸前にバランスが不安定になりやすいという現象が確認できたという。

また、ニシハラプロダクツ製のものはブレーキ実験中に後輪が異常磨耗して一部にフラットスポット(磨耗によって、設置面が平坦に変形してしまう)が生じ、走行不能になってしまうというトラブルもあった。

これらは遊具の扱いで公道での使用はできないが、タイヤの変形などは車体の異常振動など、転倒事故を引き起こす要因にもなりやすいと分析している。

《石田真一》

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