不祥事隠蔽は署長の指示? 泥酔者放置死事件の公判

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1997年1月、京都府警の九条署に泥酔状態で保護された男性が死亡したという事件で、この男性を極寒の駐車場に放置したことを隠蔽するため、部下に「パトカーの車内で保護していた」という虚偽の報告書を作成させたことで、虚偽有印公文書作成、同行使の罪に問われた当時の署長(現在は退職)に対する初公判が26日、京都地裁で開かれた。

元署長は記載内容が事実と異なっていたことは認めたが、自分の指示によって作成されたということについては否認している。

問題の事故は1997年1月16日の未明に起きた。京都市南区内の路上に泥酔状態で倒れていた50歳の男性を九条署員が発見。署内の駐車場に止めたパトカー車内で寝かせるなどして保護したが、昼を過ぎても目を覚まさないことを不審に感じた別の署員が消防に通報。病院に収容されたが同日の午後3時過ぎに死亡したというもの。当時は警察の保護も万全で、男性の死は予見できないものとされてきた。

ところが2002年9月、京都府警の監察官室に「真相は異なる。死亡した男性はパトカーではなく、極寒の駐車場にそのまま放置されていた」という内容の告発状が届いた。この告発状では当時の署長が不手際を隠蔽するため、部下に虚偽の報告書を作成するように命じていたことや、署員の数人が率先して隠蔽活動に協力したなどの、関係者しか知りえない事実が書かれていた。

監察官室ではこれを受け、同年11月に事実関係の調査を開始。退職寸前だった当時の署長を警務課付きにするなど証拠隠滅の防止を図るとともに、元署長と一緒に隠蔽を図ったとされる副署長ら関係者8人を虚偽有印公文書作成・同行使の容疑で今年2月までに書類送検していた。京都地検は「隠蔽指示は署長の命令であったことは明白で、部下はこれに従わざるをえなかった」として、元署長のみを起訴していた。

26日の初公判で元署長は京都簡裁などに提出された報告書の記載内容が事実と相違していたことについては認めたが、自分が部下に命令して虚偽の報告書を作らせたということについては、「事実を隠蔽しようと思ったことも、部下を共犯として巻き込もうと思ったことも無い」として容疑を全面的に否認している。

裁判は今後も継続していく予定。
《石田真一》

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