「泥酔、生粋の無免許、信号無視、4人死亡」判決は何年か

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泥酔状態でクルマを無免許運転し、赤信号を無視して交差点進入した結果、衝突事故を起こして5人を死傷させたことで危険運転致死傷罪に問われた26歳の男に対する論告求刑公判が20日、大阪地裁で行われた。検察側はこれまでの危険運転罪としては最高の懲役15年を求刑している。

この事故は2002年1月10日の深夜に起きた。大阪府堺市内の市道交差点で、赤信号を無視して交差点に進入してきたワゴン車と、青信号で進入してきた軽自動車が衝突したというもの。この事故で軽自動車を運転していた57歳の女性など4人が即死、ワゴン車側の2人が重軽傷を負った。ワゴン車を運転していた男も事故直後から意識不明となっていたが奇跡的に回復。事故から11カ月後に危険運転致死傷罪で逮捕されていた。

男はこれまでに運転免許を一度も取得した経験が無いにも関わらず、日常的にクルマを運転。事故当日は妻と酒を飲んでいたが、「カラオケに行こう」という被告の誘いを友人が断ったことで腹を立て、帰宅途中に堺市内を猛スピードで暴走。クラクションを鳴らしながら赤信号の交差点を強引に突破するなどの暴走を繰り返し、その果てに今回の事故を誘発したとされている。

検察側は男の行為を「無免許で日常的にクルマを運転するなど極めて悪質。傷害事件という枠を超えており、内情は故意に起こした殺人に等しい」と断罪した。その上で「被告はこれだけ重大な事故を起こしたにも関わらず、不注意だったという言葉しか言わない。その言葉に被害者やその家族が癒されることはない」として、裁判所に対して危険運転罪の求刑としては最も長期になる15年を求めた。

危険運転罪に関する裁判のうち、これまでの最高刑は「覚せい剤を使用した状態でクルマを運転、赤信号を無視して横断中の歩行者を死亡させた」という暴力団組員に札幌地裁が言い渡した懲役10年。その次が「泥酔状態で大型トラックを運転し、歩道に突っ込み、信号待ちをしていた2人をはねた」というトラック運転手に対する懲役9年のものだ。

今回の事故では4人が死亡しており、人数も多く、しかも被告は一度も免許をとったことが無い“生粋の無免許”だったという、前述の二例にはない要因もある。裁判所がどのよう判断を下すかわからないが、既存の懲役日数を下回る可能性は低そうだ。
《石田真一》

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