多重衝突の発端は1人のドライバーにあり---14台玉突き事故で在宅起訴

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昨年3月、山梨県西桂町内の中央自動車道富士吉田線で、野焼きによって生じた煙によって視界を奪われ、危険を感じて減速したクルマに後続車が次々と衝突。14台が関係し、死傷者14人を出した多重衝突事故で甲府地検は20日、35歳のトラック運転手を業務上過失致死傷罪で在宅起訴したことを明らかにした。

起訴状によると、このトラック運転手は昨年3月20日の午前11時35分ごろ、西桂町小沼の中央自動車道富士吉田線・下り線を走行中、前方で発生した野焼きの煙によって生じた視界不良に危険を感じて減速したクルマに気がつくことなく、100km/h程度の速度で走行。減速しない状態のまま、停止していたクルマ4台に次々と衝突。これが発端となって合計14台が関係する多重衝突事故が発生し、4人が死亡、3人が重傷を負ったというもの。

事故当初は野焼きの煙が発端になったとして、88歳の男性が失火罪で書類送検されているが、焼失した畑などを管理していた親類の男性が告訴しない方針を固めたことや、実験の結果として煙の滞留時間が3分程度であったことから、検察でも事故発生との因果関係は薄いと判断。本人が高齢者だったこともあり、起訴猶予処分とされた。

また、後方から追突してきた大型トラックは今回起訴された被告の他にも2台あったが、いずれも最後方での衝突であり、前方で生じた事故の原因には成り得ないと判断。こちらは嫌疑不十分で不起訴となっている。

《石田真一》

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