心神喪失状態で起きた事故の責任は追及不能---3人を死傷させたが無罪

1999年10月、兵庫県三木市内で自動車を運転中にてんかん発作を起こし、小学生3人を死傷させ、業務上過失致死傷罪に問われた当時56歳の女性に対する判決公判が16日、神戸地裁で開かれた。裁判所は女性側の主張を受け入れ、無罪を言い渡している。

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1999年10月、兵庫県三木市内で自動車を運転中にてんかん発作を起こし、小学生3人を死傷させ、業務上過失致死傷罪に問われた当時56歳の女性に対する判決公判が16日、神戸地裁で開かれた。裁判所は心神喪失状態だったという女性側の主張を受け入れ、無罪を言い渡している。

判決文によると、問題の事故は1999年10月26日に兵庫県三木市内で発生している。小学校から下校中の児童3人の列に後方から走ってきた56歳の女性が運転するクルマが突っこんだ。この事故で1人が全身打撲で死亡、2人が重傷を負い、女性は業務上過失致死傷容疑で逮捕された。

女性は逮捕直後から「事故当時は運転中に持病のてんかん発作が起き、クルマをコントロールできる状態になかった」として、事故が心神喪失状態で起きたと主張。検察側は「気の緩みから、前方注視を欠いたまま進行したことが事故の原因」として在宅起訴していたが、公判途中からは女性の「持病がある」という証言を認めた上で、「事故原因は当時服用していた薬にある」と主張を変更。「睡眠効果という副作用を承知で薬を飲み、クルマの運転を行っていたことが過失である」と訴因変更まで行っていた。

16日に行われた判決公判で神戸地裁の前田昌宏裁判官は女性の持病を認めた上で、「鑑定の結果、事故直前に持病の発作が起きた可能性があり、女性の責任能力には合理的な疑いが残る」と指摘した。その上で「女性が服用していた薬には急激な眠気を起こす副作用はない」とも認定。心神喪失状態に陥っていたという女性の主張を全面的に採用し、禁固1年6カ月を求刑した検察側の主張を退け、女性に無罪の判決を言い渡した。
《石田真一》

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