死因は事故による直接損傷か、それとも医療ミスか? ----とんでもない事件

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静岡県警は16日、交通事故に巻き込まれて重体となって病院に搬送された58歳の男性が病院の輸血ミスとみられる医療事故で死亡した可能性が高くなり、この男性の死因を特定するために司法解剖を行っていたことを明らかにした。警察では病院の関係者から治療時の状況など、詳しい事情を聞いている。

静岡県警・三島署の調べによると、医療事故が起きたのは今月10日のことだという。同日の午後5時ごろ、静岡県函南町内の国道1号線で51歳の男性が運転するバイクと、21歳の男性が運転する軽自動車がカーブで正面衝突するという事故が起きた。バイクの男性は衝突の直後、路上に投げ出され、その際に全身を強く打って意識不明の重体となった。

男性は三島市内の病院に搬送されて緊急手術を受けることになったが、検査技師と看護師の間で連絡ミスが生じ、本来はA型の血液が必要だったにも関わらず、沼津市にある血液センターに対して「B型の血液が必要だ」と要求。手術を担当した医師も血液型の取り違いに気づくことなく、そのまま輸血を開始した。

ところが300ccほどを1時間掛けて輸血したところで男性の容態が急変したため、再度チェックしたところ、A型ではなくB型の血液パックを使用していたことが判明。その後2600ccに及ぶ大量の輸血を行い、男性のショック状態を抑えようとしたが、男性は午後10時45分に死亡した。病院側は遺族に対して医療ミスがあったことを告知して陳謝。警察にも届け出た。

警察では司法解剖を実施。輸血ミスが死因であるのか、それとも事故による直接的な損傷が原因なのかを調べることになった。また、病院の関係者から事情を聞き、どの段階で血液型を伝達するミスが生じたのかについても調べを進めている。

《石田真一》

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