凶暴・凶悪なゲリラと化していく暴走族---長野県警の調査

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長野県警は21日、県内で活動する暴走族メンバーの数が1704人で、前年よりも37.7%増加したことを明らかにした。他県の統計とは違い、山間部の道路で無謀運転をするローリング族が含まれているのが特長で、その数を抜いた場合には約1300人となる。

これは長野県警の交通部が道路交通法違反や他の刑法犯罪の検挙者数などから集計したもの。県警が「暴走族」として認知するのは29グループ、429人と比較的少数だが、問題なのは「グループには属さず、ゲリラ的かつ一匹狼としての活動するものが多い」ということ。その数は922人に達し、組織という枠に収まらず、他の暴走族メンバーが言うところの「厳しい戒律」も存在しないため、ひったくりなどの刑法犯罪に向かう可能性が高く、今やグループで活動する暴走族よりも危険な存在になりつつある。この中にはグループの解散によってフリー化したメンバー167人も含まれているが、大半を占めるのは「これまでの暴走族とは一線を画す」ような者たちだという。

また、長野県内で新たな問題としてクローズアップされたのが、山間部のカーブが連続する道で無謀な運転を繰り広げるローリング族(ドリフト族)で、昨年の摘発者から353人が存在するものとみられている。山道の多い長野県内の道路は彼らにとって聖地であることは間違いないが、一般ドライバーからの「危険な運転をしているクルマがある」との110番通報は年々増加する傾向にあり、警察もその対応に苦慮している。

これら暴走行為が原因で行われる110番通報は昨年1年間で543件に達し、前年よりも14.6%増となった。他県では大規模暴走の減少によって、110番通報が減る傾向にあるが、長野ではそれと正反対の傾向を示しており、この点からも県内での暴走行為が増えていると警察が認知する一因にもなっている。

その反面、摘発件数に大きな伸びはなく、昨年は前年比15件増の542件に留まる。大勢を占めるのは道路交通法違反だが、刑法犯も徐々に増えつつあり、暴走族が凶暴・凶悪化している現状もうかがえる。

長野県警は今年も取り締まりを強化していく方針で、暴走族壊滅を街頭犯罪抑止の重要な目標に位置づけるとしている。

《石田真一》

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