広島の暴走族は中心部を離れて郊外に。そしてより凶暴化する…という危惧

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広島県警は10日、昨年1年間に広島県内で逮捕した暴走族メンバー(OB、面倒見を含む)が延べ929人となり、3年連続で全国1位を記録したことを明らかにした。暴走族全体数としては下落傾向にあるが、刑法犯罪はむしろ増える傾向にあるという。

これは広島県警の少年犯罪対策課がまとめたもの。広島県内を拠点に活動する暴走族の数は推定265人(同38グループ)で、ピークだった1999年と比較した場合、その数は6割程度にまで減少している。5台以上を連ねて走る集団暴走の認知件数も昨年は118件となり、前年よりも大幅に減った。

これは暴走族メンバーの逮捕理由にも現れており、道路交通法違反(共同危険行為)で摘発されたメンバーは延べ276人と比較的低調だった。ところが窃盗や傷害などの刑法犯罪が急増。昨年は510人が逮捕されており、逮捕理由全体の55%を占めるまでになった。暴走族メンバーのOBが暴力団に入って面倒見となり、事実上は暴力団の下位団体として活動しているという実態があり、これが刑法犯の急増につながったとする見方もある。

また、広島市で導入された暴走族追放条例は一定の成果を上げており、市民から「暴走族が怖い」と不評だった広島市中心部の公園(袋町公園、アリスガーデン)での集会は確実に減少した。しかし、条例対象外の場所では逆に増加しており、集会などを行う場所が中心部から郊外に移り、分散化する傾向にあることもわかった。

県警では「さらに取り締まりを強化し、面倒見との癒着を断ち切る努力を続けていきたい」としている。

《石田真一》

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