茨城県警は8日、昨年10月に茨城県谷和原村で起きたATM(現金自動預払機)襲撃事件の容疑者として、25歳と28歳の兄弟を逮捕したことを明らかにした。ニュースで犯行手段を見るうち、「これなら自分たちでもできる」と犯行に及んだらしい。
茨城県警の捜査3課と水海道署の調べによると、この兄弟は昨年10月25日の未明、谷和原村役場の駐車場内に設置されていた銀行の無人店舗をショベルカーで破壊。中にあった現金4660万円入りのATM1台を持ち去った疑いが持たれている。ATMには民間企業の給料日に合わせ、いつもよりも多い額の現金が前日までに納められており、関東一円などで頻発するATM襲撃事件のうち、単一台数破壊の事件としては最も多い被害額が出ていた。
犯行に使われていた重機は石下町内の工務店資材置き場から盗まれたものとわかり、警察でこの工務店の関係者から事情を聞いてたところ、この店に仕事のために出入りしていた25歳の男の存在が浮上。警察で事情を聞いていたところ、28歳の兄、そして18歳の少年が事件に関与していたことが明らかになったという。
警察では兄弟を逮捕し、行方がわからなくなっている18歳少年の足取りを追っている。取り調べに対し、弟は「テレビのニュースで見て、これなら自分たちにもできると思った」と供述。借金のあった弟が2人に協力を呼びかけたという。ただし、兄は容疑については黙秘をしており、3人の役割分担がどのようなものだったのかや、カネの流れなどはまだわかっておらず、今後も2人を厳しく追及していくとしている。