昨年8月、三重県鈴鹿市内の東名阪自動車道で渋滞中の車列に後続の大型トラックが衝突。その後に発生した車両火災で11人が死傷した事故で業務上過失致死傷と道路交通法違反(過労運転)の罪に問われた運転手に対する判決公判が29日、津地裁で開かれた。裁判長は「過失は極めて大きい」として、懲役5年の実刑判決を言い渡している。
この事故は8月10日早朝、三重県鈴鹿市内の東名阪自動車道下り線・鈴鹿インターチェンジ付近で発生した。渋滞で止まっていた車列の最後部に居眠り運転の大型トレーラーが減速しない状態で追突。被害を受けた7台中4台が漏れたガソリンに引火して炎上。逃げ遅れた5人が焼死、6人が重軽傷を負ったというもの。
運転手は事故の直前まで過重労働を繰り返し、休養を取る時間がなかった。連続稼動は56時間にも及んだと言われており、運転手は事故の前日から意識が朦朧とする中で無理に運転を続けていたと認めている。
29日の判決公判で津地裁の天野登喜治裁判長は「正常な運転を行えない状態にあることを認識しながら運転を継続し、事故を招いた過失は極めて大きい。事故の結果は、極めて重大かつ悲惨である」として、被告の運転手に対して懲役5年の実刑判決を言い渡した。