スタートから2日目のSSでトップを取り、2003年ダカールラリーを支配してきたステファン・ペテランセルが(三菱)ついに倒れたのはゴール前日の18日、シナイ半島の山地だった。
ペテランセルが語る。「まずラジエターの水漏れで止まってしまい20−25分のロス、このラリーに負けるかと思った」。17日までの順位はトップがペテランセル、2位の増岡との差は25分50秒。
「その後はフルスピードで走り、200km地点で増岡をとらえた。調子はよかったが、間もなく水温が上がりはじめて動かなくなって、ほかの競技車に引っ張てもらい、ふたたび走り始めた」
「アンラール(VW)の後ろでホコリがひどく、視界が悪くて岩に当たった。左ホイールだった。モータースポーツはフィニッシュして勝利がある。始めからレースをリードしてきたのに……」。ペテランセルは顔を洗って、落ち着いたところで記者団に取り囲まれたはずだったが、涙の会見となった。