雪崩がクルマ24台を直撃---通行止めを左右するのは旅館組合

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5日午前、長野県安曇村の上高地乗鞍スーパー林道で大規模な雪崩が断続的に発生し、通行中の車列を直撃した。この雪崩にはクルマ24台が巻き込まれ、一時は101人が車内に閉じ込められるなどしたが、幸いにも犠牲者はゼロだった。

長野県警・豊科署などの調べによると、事故が起きたのは5日の午前11時30分ごろとみられている。同日朝から現場付近では小規模な雪崩が相次ぎ、午前10時30分ごろには「雪崩で林道が通行できなくなった」との通報も寄せられていた。当時現場付近は小規模雪崩によって渋滞が生じていたが、11時30分すぎに起きた大規模雪崩はこの車列を直撃した。

雪崩は断続的に2度発生し、一時はクルマ24台が雪に埋まり、100人あまりが車内に取り残された。しかし、幸いなことに死傷者はなく、同日の夕方までに全員が救助され、除雪終了まで白骨温泉の旅館などに収容された。

現場は上高地乗鞍スーパー林道(全長35.1km)のうち、冬季通行が可能な区間。林道ではあるが、事実上の生活道路と化しており、今回の雪崩に巻き込まれた人の大半は白骨温泉への観光客。旅館の送迎バスも雪崩に巻き込まれる被害を受けており、33人の乗客は再び温泉に引き返すこととなった。

通常、この区間の積雪通行止めは白骨温泉旅館組合から提供される情報により、安曇村役場が決定する。しかし、この日は旅館組合側の担当者が不在で、役場側の担当者も正月休みなどの関係から普段とは違う部署で積雪情報を受けるなど、意思の疎通が取れているとはいえない状況にあった。また、繁忙期であることから旅館組合側が通行止めの判断を甘くしていたのではないかとの見方もあり、これが被害を生み出す一因になったとも考えられることから、警察では双方の関係者から事情を聞いている。

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《石田真一》

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