ひき逃げ逃走車に向かって警官怒りの発砲

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20日午前、福岡市博多区で警察の追跡を受けて逃走していた盗難車が歩行者をひき逃げし、死亡させるという事故を起こした。このクルマはその30分後に警察の検問も突破。危険を感じた警察官が拳銃をクルマへ向けて発砲するという事態にもなった。盗難車を運転していた27歳の男はその直後、クルマを捨てて逃走していたところを逮捕されている。

福岡県警・博多署の調べによると、一連の事件の発端となったのは20日午前7時10分ごろ、今年10月に福岡市博多区内で会社事務所に侵入、現金を奪ったことで指名手配されていた男が使っているとされた盗難車を粕屋署のパトカーが発見したことだった。パトカーに気づいた男は猛スピードで福岡市方面に逃走を開始。追跡するパトカーは県内への一斉配備を要請した。

追跡開始から30分後の午前7時40分、博多区空港前の交差点付近で男のクルマは渋滞を強引に突破。他のクルマを押しのけるように走り続けた様子を見かねて注意しようと車外に出た43歳の男性をはね、なおも逃走を続けた。クルマにはねられた男性は病院に収容されたが、およそ2時間後に死亡している。

警察は福岡市内へ向かおうとした男の進路をパトカーなとで完全に塞いだ結果、クルマは志免町方面へUターン。8時10分ごろ、志免町東公園台付近に設置した検問所に追い込まれた。しかし、男は進路を塞いでいたパトカーにクルマを体当たりさせ、強引に進路を作ろうとするなど抵抗を続け、警官1人に向かってクルマを突っ込ませた。この際、危機を感じた警官が「撃つぞ」の予告後に拳銃1発を発砲。クルマの右後部ドアに命中した。

男はさらに10分間逃走を続けたが、最後にはクルマを捨てて走って逃走。追いかけてきた警官に取り押さえられ、業務上過失致傷と道路交通法違反などの現行犯で逮捕している。ひき逃げの被害者が死亡したことから、警察では容疑を業務上過失致死に切り替え、午後から本格的な取り調べを開始したが、男は容疑について黙秘を続けているという。

《石田真一》

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