今年8月、「自分のクルマに自転車の車体が当たってキズがついた」と女子高校生を脅迫。クルマに強引に乗せて連れ去り、手錠を掛けた状態で乱暴したとして、わいせつ略取、婦女暴行罪に問われた25歳の男(元松山市道路建設課技師)に対する初公判が31日、松山地裁で開かれた。被告は起訴事実について全面的に認めている。
起訴状によると、この事件は今年8月5日未明に発生した。松山市内の路上に駐車していた被告のクルマに、たまたま通りかかった女子高校生の自転車の一部が当たったことから「クルマにキズがついた、責任を取れ」などと脅迫。この女子高生を無理やり車内に押し込め、手錠と足かせをした状態で監禁。当時、この被告が担当していた松山市内の道路建設現場に連れ去り、乱暴したという。
被告はこの一件の成功に味をしめ、8月18日深夜に伊予郡砥部町で同様の脅迫を行い、女子高校生を連れ去ろうとしたが、被告がクルマに乗り込もうとした際にクルマから脱出。近くの民家に助けを求めた。数時間後に現場に戻ってきたところ、警察に発見されて逮捕され、その捜査の過程で5日の事件が明らかになった。
検察側は冒頭陳述で「被告はインターネットや携帯電話のアダルトサイトに夢中になり、女子高校生を拉致して乱暴する計画を立てた。クルマにキズがついたという偶発的な事故発生を装いつつ、事前に購入した手錠を用意するなど、その犯行は計画的で極めて悪質」と厳しく指摘した。
被告は起訴事実については「そのとおりです」と全面的に認めており、争う姿勢は見せていないという。裁判は今後も続けられる。