三重県警は5日、中古CDショップに盗品である音楽CDを持ち込んだとして、53歳の車上荒らしを窃盗容疑で逮捕したことを明らかにした。被害者が警察への被害届けを出すと同時に、近隣の中古ショップに「こういうCDを持ち込んだ人がいたら連絡ください」と徹底させていたことが功を奏したようだ。
警察の調べによると、この男は8月14日の未明、津市南新町の駐車場に置かれていたカギを閉め忘れた乗用車の車内から現金2000円と、音楽CD約10枚の収められたケースを盗んだ疑い。
被害に遭った23歳の会社員は「2000円では犯人も割に合わないだろうし、盗んだCDを中古ショップに持ち込んで換金するのではないか」と考え、周辺の数店舗に盗まれたCDのリストを提出。リストに書いたCDタイトルを全て、あるいは数枚でも重複して持ち込む客がいた場合には警察に通報するように要請した。
今月に入り、盗まれたものと全く同じタイトルのCDを「売りたい」と持ち込んだ男を中古ショップの店員が発見し、警察に通報。男は任意同行を求められて警察署に連行された。
当初は「盗んだものではなく、知人から貰った」などという供述を繰り返していたが、持ち込まれたCDの歌詞カードに染みがあることを警察官が発見。これが被害者が事前に訴えていた「高校生の頃にコーヒーをこぼした染みが残っている」という証言と一致。この点を追及した結果、盗んだことを自供したために逮捕したという。
警察では未明に行われた犯行であることから、この男に余罪があるとみて今後も厳しく追及する方針。