県民性が信号を守らせない---表示サイクルの見直しで改善できる?

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京都府警は29日、京都市中心部の四条通に設けられた信号機の表示サイクルを見直し、歩行者信号でこれまでよりも青表示の時間を延ばすというテストを開始した。歩行者の多い寺町−東洞院(約500メートル)の8カ所の信号機が対象で、いずれの歩行者信号機でも青表示がこれまでより30秒程度長くなる。

四条通は京都市の中心部を東西に貫く幹線道で、沿線にはビジネス街となっている。クルマの通行量も多く、従来はクルマ優先の信号サイクルとなっていた。その反面で歩行者信号で青表示される時間は30秒程度と短めのため、反対側に急いで渡りたい人が信号を無視して渡るようになった。ピークタイムには渋滞が激しく、クルマが全く動かないという状態にもなるため、たとえ赤信号でも歩行者が「今なら大丈夫」と安全を軽視する傾向にある。京都府警の調べでは全体の25%が恒常的に信号を無視して道路を渡っており、渋滞をすりぬけて走ってきたバイクと衝突するなどの事故がここ数年で急増する傾向にある。

このため、京都府警では特に歩行者の赤信号無視が著しい8カ所の交差点で信号の表示サイクルを見直し、これまでの倍近くとなる1分(点滅表示6秒、表示ラグ2秒を除くと52秒)を目安に歩行者信号の青表示を長くして対処することになった。クルマはその間、ジッと待たされることになるが、府警によれば「途中の流れを緩やかにし、クルマの流入量をコントロールすることで南北へ走る幹線道へクルマを逃がしやすくなるため、結果として渋滞も緩和されるのではないか」という予測も行っている。

京都の人間はとにかく合理的(?)で待たされることが何よりも嫌い。ゆったりしたトーンの京都弁とは逆で、性格的にはせっかちな人が多く、赤信号を無視する人は大阪よりも多いのではないかと言われるほど。実際、府警が今回の対策前に行なった調査でも4人に1人は「信号を守らない」と裏付けられたわけだ。信号サイクルを変える程度で染み付いた県民性(府民性)を払拭できるかどうか。

《石田真一》

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