暴走族追跡中の事故…は真実じゃない!! 遺族が埼玉県警に賠償請求

自動車 社会 社会

1999年9月、バイクで帰宅中に埼玉県警の捜査員に暴走族グループと誤認され、執拗な追跡の末に事故に巻き込まれて死亡した少年の遺族は8日、埼玉県(県警)と、パトカーを運転していた児玉警察署(当時)の警部を相手に、総額5500万円の損害賠償を求め、さいたま地裁に提訴した。

この事故は1999年9月11日深夜、埼玉県児玉郡美里町甘粕の県道で発生した。訴状によると、被害者の少年は友人とバイクで帰宅する際、「数百メートル前を先行していたバイクの集団の一部である」と、この集団を追跡していた児玉署の警部から誤認され、執拗な追跡を受けた挙句、走行を阻止しようと対向車線を走ってきたパトカーから追突された。バイクはこの追突によってコントロールを失い、道路右側にあるコンクリート製のバス待合室に激突。乗っていた少年2人はそのまま路上に放出され、収容した病院で死亡している。

警察は遺族側に対し、当初から事故を隠蔽するような言動を繰り返すばかりか、10人ほど存在した目撃者も「いない」と説明。さらには救護義務を怠るなど、明らかに不審な点が多いという。また、少年は暴走族グループに所属していないにも関わらず、事故が起きた当初は「暴走族の一員」と発表するなど、事故が暴走族抑止の過程で発生したと装ったなどとしている。

遺族側は事故後、真実を伝えることを目的としたWebサイトを開設し、情報提供を求めるなどしており、今回の訴訟も警察の捜査体制に一石を投じるものとなりそうだ。

なお、埼玉県警側は「訴状が送達されていないのでコメントできない」としている。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース