ひったくり犯罪は絶対に許さない---神奈川県警、追跡にヘリを積極活用

自動車 社会 社会

神奈川県警は8日、通行中の主婦から現金4万円などが入ったハンドバッグをひったくったとして、16歳の少年3人を窃盗容疑で緊急逮捕したことを明らかにした。逃走する少年の追跡にはヘリコプターを活用し、短時間で犯人を確保することに成功している。

警察の調べによると、事件が起きたのは8日の午前10時20分ごろで、54歳の主婦が横浜市港北区菊名の路上を歩いていたところ、後方から走ってきた原付バイクの少年に現金4万円などが入ったハンドバッグを奪い取られた。犯行直後、実行犯の少年3人は二手に分かれて逃走を開始し、パトカーの追跡を逃れようとした。

ところが被害者の主婦は犯人が二手に分かれたことを冷静に通報。県警はヘリコプターを緊急出動させ、ハンドバッグを持ったまま逃走を続ける少年のバイクを捕捉し続けた。

共犯の少年はパトカーが追いつめ、事件発生から15分ほどで逮捕。主犯格の少年の乗ったバイクもヘリコプターの指示で動いたパトカーが進路と退路を塞ぎ、こちらもわずかな時間で検挙している。

ひったくり犯罪は手軽に現金を得られることから、高校生の間で「万引きよりも簡単」として悪しきブームとなっている。携帯電話サービスの掲示板ではひったくりの方法を完全紹介した書き込みもあり、全国的な広がりを見せている。

今回、少年らが取った「どちらが盗品を持ったかわからないように二手に分かれる」という方法もこうしたサイトから知識を得たものとされているが、神奈川県警では昼間に起きた悪質な事案については、通報後5分以内にヘリコプターを離陸させる態勢を整えており、上空から追跡するという方法を積極活用している。

今回の事件でも、犯人の少年らは「うまくやれば捕まらないからやった」と供述している。神奈川は大阪に次いで少年によるひったくり犯罪が多いとされているが、警察では「確実に捕まえるためには手段を選ばないという姿勢を見せつけることも大切。ヘリコプターの追跡から逃げられると思ったら大間違い」とコメントしている。県警のヘリコプターにはターゲットを自動的に追尾する特殊なカメラが装備されており、これに逃走車両の特徴を登録すれば、視界の効く範囲では絶対に的を外さないようになっているそうだ。

ただし、ヘリ1回が出動するための費用は当然パトカーの追跡よりも高くつく。このあたりのコストパフォーマンスの悪さをどうカバーするかが今後の課題かもしれない。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース