秋田県警は2日、トラック運転手に過酷な勤務条件を命じ、過労が原因となる居眠り運転事故を誘発したとして、宮城県内の運送会社と、同社の運行管理担当役員、事故を起こした運転手本人を道路交通法違反容疑で書類送検したことを明らかにした。
警察の調べによると、この会社は運転手に対して「会社の収益が低いのは、働きが足りないからだ」と言い、1日あたり23時間労働という常識では考えられない過酷な勤務を命じていた疑いが持たれている。運転手はトラックの車内で2〜3時間の休憩が許されるのみで、この間に睡眠と食事を行っていたという。
もちろん、このような勤務状態で正常な運転ができるわけもなく、今回送検された運転手は4月19日未明、秋田県小坂町内の東北自動車道下り線を走行中に居眠り運転を行い、中央分離帯に衝突するという事故を起こしたが、他のクルマを巻き込んでいないことからそのまま逃走している。
後続車のドライバーがこのトラックのナンバーと、車体の特徴を覚えており、警察に通報した結果、この運送会社とドライバーの存在が明らかになり、5月から任意で取調べを行っていた。
その過程で26歳の運転手は事故を起こす前の1カ月間、会社から与えられた休暇が全く無かったことを告白。さらに「体が辛いから休ませてくれと言っているのに、お前は甘いと言われた」、「事故を起こしたことが発覚するとドライバーの責任にされるので逃げた」、「1日の平均労働時間は23時間で、睡眠時間は丸2日間働いて2時間作るのが精一杯だった」などと泣きながら供述したため、警察はドライバーだけに事故の責任を負わせるのは酷だと判断。法人として会社自体を送検することを決めたという。
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