交通事故、それとも強盗傷害事件!? 裁判所が下した判断は…

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今年2月、神奈川県横浜市の路上で58歳女性にミニバイクで激突、強盗傷害容疑で神奈川県警に逮捕されていた16歳の少年に対し、横浜家裁は24日に行われた少年審判で、「警察での自白内容は信用性に乏しい」として、刑事裁判の無罪にあたる「不処分(非行事実なし)」を言い渡した。

この事故は今年2月12日の深夜、横浜市瀬谷区の路上を2人乗りの状態で走っていたミニバイクが、歩行者の58歳女性に後方から激突。この女性が重傷を負ったというもの。周辺でミニバイクに乗った2人組によるひったくり事件が相次いでいることから、神奈川県警ではこの少年が女性のショルダーバックをひったくろうとした際に事故につながったと断定。バイクの2少年を強盗傷害容疑で逮捕していた。

2人は捜査段階で容疑を認めていたが、一般の裁判にあたる少年審判の開始直後に「あれは運転ミスで起きた交通事故。警察での自供は強制されたもので事実と異なる。取調べに当たっていた警察官は最初からひったくり事件と決めつけていた」と主張。全面的に争う姿勢を見せていた。

24日に行われた審判で横浜家裁の鈴木秀孝裁判官は「警察での自白は信用に乏しい」とした上で、女性の証言にあるショルダーバックの位置と、少年2人が逮捕当時から主張している位置が左右逆転していること。警察は捜査当時からひったくり事件と、この事件は関係あるものと思い込んでいたことなどを指摘。自白が捜査段階で強要された疑いは非常に高いとして、無罪にあたる不処分の判断を言い渡した。

《石田真一》

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