ユニシアジェックスは28日、中国にバルブタイミングコントロールシステムやウォーターポンプなどを生産する新拠点を設立する一方、厚木工場第2地区での生産を2005年3月までに中止すると発表した。中国の安価な生産コストを活用することにより、価格競争力を高めることを狙いとしているが、海外新工場の設置と国内工場の閉鎖を同時に発表することは極めてめずらしいケースだ。
中国工場は広州市に建設する。出資形態などは未定だが、10月末に会社を設立し、2004年1月から生産を開始する。投資額は約20億円。
一方、厚木第2地区ではこれまで、ABSやVTC(バルブタイミングコントロールシステム)などを生産していた。従業員は410人。中国進出に伴う生産効率の向上と固定費の削減を狙いとしており、同工場での生産品は、厚木第1地区をはじめとする国内外の各拠点に移管する。ただし、併設のテストコースやゴルフ関連施設などは継続する予定だ。
労働コストが安く、世界の工場として注目される中国。一方でまたひとつ、日本の産業の空洞化が進む。