保険金詐欺の報道は名誉毀損---BROがテレビ朝日に是正勧告

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放送による人権侵害の被害を救済するため、放送局が自主的に作った第三者機関の「BRO」は26日、テレビ朝日系列の情報番組で2000年5月に扱った交通事故に関する話題が名誉毀損であったことを認め、同局に対して関係者の信頼回復を図るように勧告したことを明らかにした。

これはBRO内部で「第17号事案」と呼ばれ、2001年10月から内部組織の「放送と人権等権利に関する委員会(BRC)」にて審理されてきた。問題の事件は2000年5月28日午後、熊本県天草町の町道で、熊本市内の医療法人の看護部長が運転する乗用車が、運転を誤ったことが原因で崖から転落し、理事長夫人を含む4人全員が死亡したというもの。

運転していた看護部長を除く3人に多額の保険金が掛けられていたことから、テレビ朝日系列の情報番組では同年8月に「熊本・謎の自動車事故」というテーマで、この事故が保険金を目当てに故意に起こされたもではないかと推測する内容をものを数度に渡り放送していた。

2001年7月27日、熊本地検はこの事故について「単なる運転ミスによって生じたもので、保険金詐欺目的とは認定できない」と判断。この結果を受けて医療法人側がBROに救済を求めて提訴していた。

26日に行われた決定で、BRCはテレビ朝日に対して「名誉・信用の回復措置は不十分」とし、今回の判断内容を放送し、関係者の名誉回復を早急に行うように勧告した。同局はこれを受けて、当日中のニュース番組でこの結果を報じるとともに、「名誉棄損にあたるとの決定を真摯に受け止める。関係者の皆様にはおわびします」とのコメントを発表している。

 

《石田真一》

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