仲間と共謀し、故意に交通事故を起こして保険金435万円を騙し取ったとして、詐欺容疑で起訴されていた3人の男に対する初公判が25日、福島地裁で行われた。3人は起訴事実と検察側の主張を全面的に認め、裁判はこの日だけで結審している。
この事件は昨年3月11日の午後9時ごろ、福島市の市道交差点でワゴン車と軽自動車が関係する交通事故が発端となっている。実はこの事故は保険金を騙し取るために行われた完全な偽装事故で、主犯格の男ら6人が乗ったワゴン車に、今回起訴された男たちが乗る軽自動車を衝突させたというもの。衝突された側の6人は、保険会社に対して6人分の治療費や休業損害金などの保険金570万円を請求していたとされる。
25日の公判で3被告は詐欺容疑を全面的に認めた上で、検察側の主張に対しても争わない姿勢を見せた。このため、裁判はこの日だけで終了。検察側は「主犯格の男に強制されて犯罪に従うなど同情すべき面もある」として、裁判長に懲役1年6カ月の判決を求めている。