投機目的の購入が被害を拡大か---『チョロQ』限定品で詐欺事件!!

自動車 社会 社会

『チョロQ』といえば、今では大人の愛好者が中心となり、その人気を子供から奪ってしまった格好となっているが、このチョロQの限定モデルが一部でちょっとした騒動を巻き起こしている。

騒動の発端となったのは、チョロQの熱烈な愛好者が開設する複数のWebサイトの掲示板に、大阪の業者を名乗る者が「野上電鉄バスのオリジナルモデルを2500個限定で販売する」といった内容のメッセージを2月上旬に記したことだ。チョロQの限定モデルは徹夜待ちをして買う人が現れるほどの大人気で、最近ではオークションでの高値転売を目的に投機手段のひとつとして買うというケースもある。掲示板で告知されたこのモデルについても、直後から申し込みが殺到したとみられる。

ところが商品が引き渡されるはずの3月になり、同じ掲示板に今度は「業者と連絡ができない、サギではないのか」という書き込みが目立ち始めた。同様の疑問を投げかける人は後を絶たず、ついには警察への告訴を呼びかける内容の書き込みが出始めるなど、大混乱の様相を呈してきた。

問題の限定モデルとなった野上電鉄バスは1994年に廃止されており、会社自体もすでに解散している。運行していた路線は大十という別の会社が引き継いだが、この大十は昨年秋に同社のバスをモデルとしたチョロQを4000個の限定で販売しており、今回のものについても「大十が野上電鉄バスカラーの限定モデルを他業者に委託する形で販売する」といった憶測で広まってしまったことが被害を大きくしたようだ。しかし、大十ではそのような限定品の発売を予定していないどころか、今回のトラブルについても全く把握しておらず、正に「寝耳に水」の状態。

チョロQの限定モデルにはいくつかのパターンがある。(A)メーカーであるタカラが主導となるケース、(B)タカラが販売業者に商品化権を与えて、そこが製造・販売を行うケース、(C)パーツだけを購入し、タカラに無断で組み立てて販売するケース、などだ。今回の件についてもタカラにはクレームが殺到しているというが、こちらも状況を把握できておらず、困惑の色を深めている。

限定モデルは熱烈なファンの間で高値売買されており、これが投機目的の購入者を呼び込む背景にもなっている。子供のオモチャが、利幅を生み出すことで投機手段に変容し、さらにそれを大量購入する“大人買い”のブームが今回の被害を生み出す要因になったといえるだろう。

ちなみに申し込みの宛先となっていた場所は大阪の中心部にある私書箱センターで、大阪の業者が完全にサギ目的で動いていたことはこのことからもわかる。掲示板に「電話で担当者を呼んでも不在のまま」と記されていたが、それも当然なのだ。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集