県議会議長の免許更新は講習無しの特別扱い……「私にもお願い」でバレる

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佐賀県警監察課は20日、県議会議長の免許更新に絡み、現在の鹿島警察署の署長(前任は県運転免許課の課長職)が、道路交通法で定められた安全講習を行わず、免許の更新に応じていたことを明らかにした。現在、この署長に対して処分を検討している。

道路交通法では免許更新時の講習について「講習は学級を編成し行うよう務める」と規定している。ところが昨年2月、佐賀県議会議長が免許更新に県の運転免許センターを訪れた際、当時運転免許課の課長職にあった円城寺重憲氏(現在は鹿島署の署長職)は、法律で定められた講習を行わず、免許証が作成されている間、議長を課長室に招き入れ、県警の交通事故対策などを30分間あまりに渡って説明。その後、課長室内で出来上がった免許証を手渡したという。

この事態が発覚したのは、現在の免許課長に同様の便宜を求める依頼があったためで、驚いた現課長が監察課に通知。監察課ではそれを基に調査に乗り出していた。

円城寺氏は監察課の事情聴取に対して「交通事故の発生状況など、通常の講習と同じ30分を掛けて説明しており、事実上の講習だったと考える」と回答したが、監察課では「状況などから道交法で定められた正規講習と判断することは難しく、一般市民から県議会議長だから特別扱いされたとみられても仕方がない」として、近く何らかの処分を言い渡す方針。

《石田真一》

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