ここでも先入観が原因か? 事故被害者放置

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今年の2月、長崎県で新聞配達の女性が居眠り運転のクルマにはねられるという事故があったが、現場に急行した救急隊員がクルマの単独事故として判断したため、被害者の女性は現場に40分間放置され、その後に死亡していたことが明らかになった。

これは今年2月16日の未明、長崎県北有馬町の路上で、新聞配達のためにミニバイクを運転していた女性が、居眠り運転のために対向車線に逸脱してきたクルマにはねられたというもの。この女性は衝突の衝撃でバイクと一緒に20mほど飛ばされ、交差点の植え込みに落下。ぶつかったクルマはその後、ガードレールに衝突して停止した。

通行人などからの通報で警察と消防の救急隊員が現場に駆けつけたが、クルマの運転手が「居眠りをしていたみたいでよく覚えていない」と証言したため、救急隊員は単独の自損事故と判断。救急車にこのドライバーを乗せて病院に向かった。ところが警察が現場検証を始めたところ、事故発生から40分ほど後に植え込みの中に血を流して倒れている女性を発見。慌てて病院に搬送したが、4時間後に出血性ショックが原因で死亡した。

事故を起こしたクルマは屋根が潰れており、何か当たったことは一目瞭然だったが、警察と消防は「現場が暗くて当時は気づかなかった」とコメントしている。

同じ2月には福島県内で通報者の「ケガ人は2名」との情報から、車内に取り残されたもう1人の被害者を見落とすという事故も起きている。

《石田真一》

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