【レポート『Nシステム裁判判決』vol.3】違憲だけど証拠なし?

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【レポート『Nシステム裁判判決』vol.3】違憲だけど証拠なし?
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裁判所は判決において「Nシステム端末のテレビカメラによって、走行車両の搭乗者の容ぼう等を撮影し、その撮影された画像が記録、保存されているとすれば、これは憲法一三条の趣旨に反することになる余地があることはいうまでもない」としながらも

「一時的に走行車両の搭乗者の容ぼう・姿態が写っている可能性がある画像が撮影されるが、この画像は、瞬時にコンピュータ処理によって車両ナンバープレートの文字データとして抽出されることになり、搭乗者の容ぼう等が写っている可能性がある画像そのものが記録、保存されることはない」

「走行する車両のナンバープレート部分を的確にテレビカメラで捕捉、撮影するという目的を考えると、撮影の際の赤外線の照射が運転席を含むある程度の広範囲にわたっているからといって、直ちに走行車両の搭乗者の容ぼう等の画像が記録、保存されていることを推認することはできない」とした。

つまり「もしドライバーのカオが写され保存されているのだとすれば、たしかに違憲だよ!」と指摘しながらも、“その証拠はナイ!”と原告らの主張は却下されたのだ。

しかし警察が保管している原データといった決定的な証拠がないまでも「自然な判断から懸け離れていますよね。『ストロボの照射範囲』=『撮影範囲』が拡大すれば、ナンバー以外の部分も記録すると考えるのが合理的でしょう」(原告代理人の笹世健児弁護士)ではないかと思われるのだが。

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《小谷洋之》

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