S 発表会、つまりクルマが止まっている状態では室内は前後席とも広々しているな、と思ったんですが、実際に乗ってみるとリアの居心地がよくない。セダンはバックレストが寝過ぎているし、ワゴンはバックレストの角度調整ができるんですが、背もたれの軸がバックレストの最下部よりやや上にあるから、どう調整しても落ちつかない。
K バネ下がドタバタしすぎですね。とくに2.5リッターの17インチ仕様はよくなかった。でも日産の担当者も「これは17インチがほしい人のために、割り切ってやっています」といってました。
F 俺が気になったのは、ドライバーのポジション。アップライト(背筋を伸ばした姿勢)で高い位置に座るから、運転してると、重心が高い位置にある感じがして、どうも落ちつかないんだ。
K 現代的なパッケージを採用しなければならないというのが原因のひとつですね。スタイルにしても、新しい機軸を出さなければならない。そうなると、実質的な有効空間は大して広がっていないんです。とくに頭の横のあたりの空間とか。ドーム型のルーフラインをきれいに見せ、しかもタンブルフォーム(ボディ上部を絞り込んだ造形)を採用した弊害。スタイリングで新しい感じを出すことと、パッケージのためのせめぎあいでしょう。
F ただ、セダンのリア・ヘッドレストがいまだに2個で、しかも固定式なのはどうかと思ったよ。ほんとにDセグメントと闘う気があるんかい、と思った。
K この手のクルマでは、最近では、フルタイムで5人乗せるかどうか、というとシビアな問題ですからね。いわば「4ドア・クーペ」的な使われ方をする事が多いわけですから、割り切ったのかもしれません。後席のシートベルトは3点式が3人分ついていましたが。
S それにしても、セダンの固定式ヘッドレストはどうかと思う。ワゴンだって、真ん中のひとにはヘッドレストがないし。
F スヤマさんは、「エクリュ」っていう白っぽい内装色の方がいい、っていったけど、あのスウェード風のシート生地は傷みが早そうだよ。思うに、たぶんヨーロッパでは本革仕様を出すと思うんだ。
K パッケージに関しては、トレンドはつかんだけど、新機軸をつかんだ、とうほどでもなかったね。21世紀的な、定番ラインはクリアしていると思うけど。造形とか配色とか、見せ方かたは新しいと思いました。
座談会メンバー
K:河口まなぶ(自動車ジャーナリスト)
S:陶山拓(まとめ)
F:藤田耕治(auto-ASCII)
KS:佐藤耕一(auto-ASCII)