『シビック・フェリオ』は変わってないようで、内容は詰まっているぞ! というのがデザインのねらいなのだ。フェリオの内装デザインは正常進化。操作系や表示系の配置は先代と大きく変化していない。進化したのはむしろ質感である。
「ユーザーにとって不要な線は減らす」と語るのは、フェリオのインテリアを担当した、本田技術研究所和光研究所デザインAスタジオの山下誠アシスタントチーフデザイナーだ。内装の上下の色を変え、紋(インパネの表面模様)を上質にし、部品間の合わせ目を詰めることで、これまでのフェリオの内装イメージをより明確にした。
スイッチ類などの配置やフォルムを機能別に分けることで、今回のデザインテーマである“気持ちよさ”を表現したのだろう。「パッケージを味わって欲しい」と山下アシスタントチーフデザイナーが語るのは、新型プラットフォームによるリアシートのフラット感だ。ここが一番の変更点である。
今回のフェリオは、これまでと違って『シビック』との共通部品がドアハンドルぐらいしかない。そこまでしてフェリオを独自に、それも正常進化させたということは、先代フェリオはユーザーに納得されているというホンダの自信であり、またホンダにとってフェリオが重要な存在であるということだろう。