青森県警は10日、2544人の全職員に対して「ザ・メグセ&ショシ」というタイトルの冊子を配布し、熟読して徹底するようにという異例の通達を行った。
冊子のタイトルに使われた「メグセ」と「ショシ」は、それぞれ津軽弁と南部弁で「恥ずかしい」という意味になる。青森県は地域によって、この二つの方言があり、他の地域に住むものにはもちろんだが、県内の互いの地域でも全く通じないという不都合がある。
言葉の意味が通じないというのは重大で、例えば津軽弁を話す警察官が、スピード違反を行ったものの、停止を拒否したドライバーに対して「あんた、なんぼごんぼほりだな(言うことを聞かない人だな)」と話しかけたところ、違反したドライバーが「人をゴボウ扱いするとは何事だ」と怒りだすという騒ぎがあったり、あるいは南部弁を話す地域出身の警察官が方言の違いから、青森市の住民に「お前は南部出身だから教えね」と態度を硬化されたケースや、それとは逆に津軽地方出身の警察官が南部地方で住民に捜査協力を拒否されたケースもあるという。
この冊子を製作した青森県警の教養課では「方言を禁止するわけではないが、警察はどんな時も市民に正確に伝わる言葉を使わなければならない。冊子が、言葉のマナー向上につながることを願っている」としている。たしかに「ごんぼほりだな」と言われても、意味が全くわからなければ効果はないだろう。